フェイスボウの術式

1)上顎模型の咬頭頂をバイトフォークに印記させる。

  これは絶対口腔内ではやらないで下さい。まず、模型上ではかたつくと思って間違いないです。

2)バイトフォークを口腔内に適合させる。

3)前方基準点をマークする。

次から、(1)スライドマチックタイプのフェイスボウを何も考えないでやった場合、

    (2)正中矢状に直交させてやった場合、

    (3)シンプルボウをきっちりセッティングしてやった場合

と3つの場合をくらべながら説明します。

まずは顔貌写真と口腔内写真です。

     

さて、フェイスボウをとりました。

   (1-1)         (2-1)       (3-1)

     

見ての通り、

(1)はスライドマチックタイプのフェイスボウを、何も考えないでイヤーピースを耳の中につっこんで、ただクランプを絞めたものです。耳の位置が違えば当然こうなりますよね。

(2)は(1)と同じフェイスボウを用いて、ボウの前面を正中矢状に直交するようにククッと調整したものです。

(3)はシンプルボウの前面中央にマーキングをして、ボウの前面が正中矢状に直交し、かつボウの中央が正中矢状に一致するように調整したものです。

次はそれらをその咬合器にマウントしたものです。

   (1-2)        (2-2)        (3-2)

   

となりましたけれど、これじゃ小さすぎてわかりませんね。こちらをクリックすると大きな写真が見られます。

でも、こっちの方が良くわかります。

各々の方法ででマウントした咬合器にテンプレートを付けて上顎模型の傾きを見てみました。

   (1-3)         (2-3)         (3-3)

  

これで見ると一目瞭然です。

(1)は右上がりになり、それに伴って正中も右方にずれています。

(2)は咬合平面は合っていますが、正中が左にずれています。

(3)は咬合平面も正中もびったりです。

これも小さすぎてわからない?じゃ、こちらをクリックして下さい。大きな写真が見られます。

このようにフェイスボウの取り方一つでこんなにも咬合器に付き方が変わってしまいます。

これで前歯部の補綴をしたら・・・・。

でも、このようにほんのちょっと注意してやれば大丈夫なんです。

さあ、とにかくやってみましょう。

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