雨の東京


季節外れの台風と節電の東京

土日と東京へ。新幹線は今は4時間もかかるので(笑)今回は飛行機で。やはり1時間で着くのは魅力的。到着が夕方遅い時間だったので旧知を暖めお互いLONG TIME NO SEEな訳で、しかし皆さんお忙しいお人達ばかり早めの解散でした。翌日いつになく早く目が覚めてビッグサイトに向かいます。とあるNPO法人の総会で今回の被災地への歯科医師の救援とその内容をお話ししてきました。話して思うのですが、東京という所は、日常を取り戻すことに非常に長けているので、取り戻した日常にまたいつものように埋没するのはいとも容易い訳ですよ。ですから、テレビから流れてくる被災地の状況はともするとまた初めの頃のような映画に似た感覚になっても仕方がないでしょうね。
現場の話はリアルであり、思っていたこととの隔たりが大きいと言われて初めて事の重大さを再認識するのです。そういう場所のデスクで状況を把握し指示するためには、膨大な情報量が必要な事は理解できます。それでも、2ヶ月経過してもなお冷たい板の上で毛布にくるまり寝ている人がいることは、理解できなくて当たり前なのかもしれませんね。

今回、汐留のホテルに泊まったのですけれど、駅通路からホテル入り口までの通路は全て電気が消してありました。ホテルの入り口だけが皎々と。ああ、小説的旅情をかき立てられます。暗い東京の一角の暗い隅に黒い何かが隠れていそうで、それは田舎の暗がりの中に潜む息をしていそうな恐怖とは違う無機質な恐怖であったりします。しかし人々はそれに慣れてきているかのように、暗いところを避けて動き回っています。新橋のガード下脇の暗がりは以前よりも暗く、最新ビルの通路脇の暗がりは新しく出来た小さな闇でしょうか。ワシは好きです。

日曜の飛行機の時間までおつきあいして頂いたジャーナリストのO氏と話しながら飯を食い、ふと自分の行く末を暗示させられました。学術的な様々な誘い、例えばメンターやら公認インストラクターや経営セミナー講師やら、僅かな時間を割いてなら答えられたけれど継続しては無理ですと。なぜならやはり歯科医師会などの公の仕事が多いので時間が割けないのが理由だった為。ところが今は歯科医師会などの仕事は完全に離れてしまい、かといって今まで断ってきたモノはとても中途半端。
う~ん、今だから出来ることは足下を見つめ直すことかしらと、視線を自分に向けてみるモノの、すでにそんなに若くはない(笑)。公的に活躍する場所が無くなったねと言われてもなぁ。。
大丈夫、セネガルやパラグアイのリサーチがあるじゃない(爆)。天下国家のために何かをするチャンスが無くなった訳ではないけれど、ワシもいよいよ自分の事だけ考える左傾化した年寄りとなるのだろうか(笑)。そりゃない。

Posted: 月 - 5月 30, 2011 at 04:23 午後        




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