誕生日


そうかぁ、18かぁ・・・

今日はウチの長男の18歳の誕生日でした。スイスにいる次男坊とは別の意味で、ウチの長男坊にはそれはそれはいろいろな経験をさせてもらいました。小学校まではあれほど仲が良かったのに、中学に入るとまるで他人のようにお互いに理解しあえない日々が重く続きました。ある時は殴りあい、ある時はおだて、ある時は異常なまでに気を遣い、繊細で壊れそうだけれど割れたガラスのようにどこかがひどくとがっている、そんな我が子に夫婦して涙した事も一度ではありません。
親でありながら、こうまで何も出来ない無力さを嫌と言うほど味わい、親なれど彼の周囲のサラリーマン教師達を恨み、親だからこそ彼の幼き日よりの人一倍の優しさを感じ、しかし、彼もまたそれが自立への弊害とばかりに、違う形での甘えをぶつけた事も事実でした。

昔、幼稚園の帰り道、道端の名も無き黄色い花を摘み、「奇麗だからお母さんに持ってきてあげた。」そんな屈託の無い笑顔と優しさに満ちていた彼が、何を理由に回り道をし始めたのか、ただただ右往左往するばかりの半人前の親。人と競争する事が嫌いで、徒競走では後ろから走ってくる子を待つ性格。今のこの国の生き様には全く順応できない事は明らかでしたが、親としてかなり無理をさせた事も、この世を生きていく為にはと心を鬼にして教えなければとおかしな責任感でそして盲目。この18年思い出せるのは、小さき頃のあまりにも楽し過ぎた毎日と、その後のあまりにも違う毎日です。

いま彼は整備工の仕事をしながら目的を明確に持っています。同年代の受験を控えた彼らとはまた違う、かなり明確な目標に向かい日々思考し鍛練そして精進しています。かつての事を思い出し胸が熱くなるセンチメンタルはかなぐり捨て、それ以上の素晴らしい未来を沢山話をしてくれます。彼の感性は並大抵ではないので、世がついてこれないと、良いように理解しています。確かに井の中の蛙状態で外界を知らぬ感性かもしれません。とびっきりの挫折が口を開けて待ってるかもしれません。しかし、無気力、無感動、閉じこもりではない、しかも異常に健康(笑)な未来ある彼に、アパートに送り際、「誕生日おめでとうな」・・・と、なぜか気恥ずかしく口に出して言えなかったワシもまた、・・・・まだまだ子供なのかと、傍らで白い腹出し仰向けで惰眠する犬ロビンに、「おまえも6歳、彼を見ていた一人だよ」と話しかけ、静かな部屋にはキーをたたく音だけが響いた、そんな今日の終わりでした。。。
車を降り際彼が、「今夜はこの曲を聴いて仕事してみぃ」・・・・The Autumn Effect/10 Years・・・・・・う〜ん、いい選曲じゃねえか・(笑)。
ウチの息子達は、本当に2人とも最高(オヤバカ)。来週はスイスの次男の卒業式に出席だ。

Posted: 木 - 6月 14, 2007 at 11:09 午後        




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