諸君!


今の歯科医療を改革させる力の源・・研修医のいる風景

昨日今日と、大学病院従施設(ワシの病院ね)への研修希望の研修医Nが見学に来ておりました。まずもって、非常によろしい。態度も考え方も非常によろしいと感じました。彼、野球部の先輩がすでにうちには勤務しているのですが、その後輩として鑑みても、非常によろしい(笑)。で、昼間は院内見学&お手伝い、夜から深夜は色々話ながら飲みを続けて気がついた事が2つありました。

ひと~つ。若き歯科医師と医療の問題。。。
混迷している歯科医療を一番理解しているはずの、研修医の受け入れ先は、実は何も理解していないところが多い事が浮き彫りに。その理由は、本来中軸にいるべき歯科医師達が医療の供給のシステムを理解していない所から始まりそう。。。。。大前提として、米国型の歯科医療がこの国の歯科医療の救世主となるか否かの理解が不足しているのでは。現行の保険の制度の評価の低さと、アメリカ型の歯科医療のシステムの比較検討が基本的にできていない事。どういう医療を供給したいかで、もちろんスタイルは変わるわけで、以前も書きましたが、食べ物を供給するスタイルは「街の何でも食堂」「居酒屋」「高級レストラン」等々多様です。歯科医療の提供も同じですよね。自分の置かれた地域、あるいは希望、その他で、供給方法は多様ですが、基本は医療である事。医療の「アート+サイエンス」を解釈できなければ、個人に対する御典医的手法こそが最高の治療であり、医師も患者も大変満足だけれど(米国)社会的に幸福ではない矛盾を、社会保障の中に見いだし改善できるか否か。今のトレンドは、皆、「高級レストラン」こそ歯科の生きる道。。。
若き歯科医師には難題と見た、ワシが教えてあげよう(笑)。

ふた~つ。ワシの問題が彼Nを通じて、逆に浮き彫りに。
連夜に及ぶディスカッション(笑)を通じて、多くの事をつげたとは思うのだが、話をしながら自分自身の思いもまた新鮮に。。ワシが卒業した時、ワシはココまで色々考えていたかどうか。歯科の疲弊が反面教師となり若き研修医が更に考え及ぶ世界をつくったのは、不幸中の幸いなのだろうか。ワシよりもっと過去の歯科医師達は、彼よりもワシよりももっと安堵の社会に漬っていたが為に、将来に対する読みがまるで甘い。今の日歯を見れば一目瞭然。現場の混乱や困窮よりプライドが優先。これは将来を見据える能力がない組織にありがちな事だが、中国も似ているかも。そんなワシが、若き研修医にしてあげられる事は、哲学の埋め込みと、哲学から来るビジョンの明確化。ビジョンが明確になれば方法は更に明るくなるはず。その時ワシは、そのビジョンを自分に照らし合わせる事が可能になるので、彼に感謝。いやいや、今いる勤務医NやNやTやOにやはりひたすら感謝ですな。ワシをワシが見る事を可能にしてくれている訳ですから。おっと、女房殿ももちろん(笑)。

現在の歯科を見回すと、楽しげだけれど得体のしれない新興宗教のようなセミナーに医者もスタッフも群がり、その背景にある商業主義にまるで気がつかない。自分の事だけが注視の対象であり、患者さんの幸せがどこかに行ってしまって、見かけだけになっているのはなぜか?原点に帰ろうよと自分の主催する勉強会では力説するけれど、ワシの主張は有る意味デンタルコマースの中では金にならないので、ワシの主張は基本的に外される(現実に講演を供にした某有名コンサルにそう言われた)ので、怪しげなセミナー群は影でお金になることは事実なんでしょ。言葉を換えると、スーパーマンの格好をした歯科医師が出現した90年代のロサンジェルスで、歯科も終わりかなとつぶやいた同業者は、冬のニューヨークでタクシードライバーの季節労働を余儀なくされた訳で、そんな世界がこの国にももうすぐやってくる薄ら寒さを、一番実感しているのは彼らなんだろうなと。

できの良い後輩 の言う通り、「患者に対するサービスの意味を履違え、患者さんの歓心を買う為の治療と毎日」をせっせとセミナーで修得すると言う事は、「患者様」と呼ぶその後ろにあざとい商人が影で言う「様の裏には金がある」訳で、頭を下げているのは様の後ろに隠れている金に眩むと言う事。こんな大切な事、歯科医師はもちろん、いつか患者さんも気がつくべきだと本気で考えてしまった、研修医のいる風景だったのです。。。。
当院、「患者様」なんて、呼んだ事など全くないし(笑)。。でも、さまとよべ~~~って、患者さんに怒られた事は、、あるなぁ(嘲)。

Posted: 木 - 5月 15, 2008 at 11:55 午後        




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