劇場美術 寺山修司


このあいだ買ってきて、何気に読み出した

ワシは、いつのころからか寺山が好きだと言うのを、何度かこの場所で書いてきた。映画も可能な限りすべてみたし、歌集も可能な限り、そしてカフカ的K氏に勧められるものはすべて目を通したんですよ。その中のひとつ、「劇場美術 寺山修司」パルコ出版 は、なかなか保存版としていいですな。表紙をめくり読み出して、目次の裏にはやはり恩師の中野トク先生への葉書。ワシのおっかないおばちゃんでしたが(笑)。
そして次々飛び込んでくる、懐かしい歌を読み返しました。寺山ファンも、怖いもの見たさの方も、お勧めです。しかし、こう言う本を読んでいつも思うが、前衛的なゲージツは、何故にナカナカこの国では受け入れられないのでしょうか。ヨーロッパでは普通に有名人でその手のゲージツ活動している人達にはかなり認められているのですがね。いや、まあ、この国でも認めるヒトは大勢いるのでしょうが、何か秋葉系の萌マニアと混同される怖さに身震いしてしまい、正面からおじけ着いているのでは(笑)。

 

彼の監督作品で上位に好きなのはやはり「田園に死す 」と「書を捨てよ街へ出よう」ですね。特に「田園に死す」の主人公にやられました。映画冒頭の歌の中の「あたらしきぶつだんをかいにいきしまま かえってこない おとうとととり」のフレーズと恐山の背景にノックアウトでした。この少年は、青森県に在住です(笑)。
しかし、どうなんだろ。以前書いた七戸が舞台の「アオグラ」でもそうだったが、主題の影に見え隠れする「東京」。どうやらこの未知の遠くて近い近未来な日本の中心に、閉鎖された地域社会の中でうごめく思いや叙情や憧れが、コンフージョンして、しかし決して表には出ない隠れた「東京」。。
奥が深い。。。青森県人ならではの理解、、だろうか。。

最近、こう言う映画極端に少ないのは、寂しいですね。

Posted: 金 - 6月 6, 2008 at 12:13 午前        




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