梶井基次郎


檸檬・・・・・懐かしくて買いました

アマゾンで衝動買い。梶井基次郎小説全集。。高校生の頃、「檸檬」を読んで、冒頭の「えたいのしれない不吉な塊が私の心を終始壓へつけてゐた。」・・・・・にすっかりやられた(笑)ワシは、夢中で梶井の作品を読んだ記憶がある。学校の図書館から借りていたのでその後読む機会がなかったけれど、三十数年ぶりに思わず出くわしどうしても欲しくなり注文した次第だ。。


 

得体のしれない不安とは、もちろん結核を病んでいた彼の私小説中の事ではあろうが、当時のワシがこのフレーズに共感するとは、もてる全ての不安と重ねていた暗い青年だったのか(爆)。彼もまた没後評価が高まった悲運の人。檸檬自体、小林秀雄の評価がなければ、友人三好達治の奔走があっても日の目を見るにはまだまだ時間が必要だったのかも。肺を病んだ梶井が箱根で養生している時分、川端康成にもらった青森産リンゴを大切に大切にピカピカに磨いて床の間に。何もいわずそれを食った三好を思わず本気でぶん殴った話は、まさに彼の人柄か。川端からのもらい物だからというのではなく、美しいリンゴが心底好きだと言うこと。。。(笑)

寝際のわずかな時間に、読み切る短編だから良いんです。近代日本文学、良いですねやはり。

Posted: 水 - 7月 9, 2008 at 11:51 午後        




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