仕事の限界とは


一体いくつまで仕事を続けるのか

この間、薮から棒に有る患者さんがこう言いました。

「せんせーは、一体いくつまで仕事を続けて、その後はどうする気なんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「今いくつなの」
「49ですな」
「じゃあ、後、、、、15年ぐらい?」
「う~んそうですかね」
「で、その後はどんなリタイヤ設計を?」
「いや~、毎日がせっぱ詰まってるんで、あんまりそんな事考えてなかったが。」
「何いってるんですか。これだけの規模をかかえて、院長がそんなんじゃ、患者も従業員も皆困るでしょ。。」
まあ、人の事などほっとけよと(笑)と言う心境でしたが、確かにおっしゃる通り。二世がこの医院を継ぐでもないし、確かに何も考えていなかった。どっかの国のソーリなんて、いきなり辞めようがどうしようが何言われようが、誰も困りゃしないが、ワシの場合は比較的多くの人が困るのだ(笑)。

いくつまで仕事ができるかなぁとボンヤリ考えたが、先般弘前の会合に出席した時、90歳直前の現役ドクターが、酒飲むわ、食うわ、婦女子にちょっかいだすわ、回りの若手ドクターを叱りつけるわ、、、そりゃもうたいしたものでしたす。いくつまでも仕事ができるのも良い事なのかどうなのかなぁ(笑)。いやぁ、良さそうだ。

第二の人生とか、有る日を境に違う日常を夢見る事は確かなのですが、現実問題として今のワシの将来は無理じゃないかと。だいたい、第二の人生設計をするだけの資金的余裕が全く無い!(笑)退職金がある訳じゃない。常に自分のお金は設備投資や運転資金に流用しているから、将来への繋ぎ資金を作れない。これは個人開業医はみなそうなんじゃなかろうか。。。こう言う時にサラリーならと憧れもするよね。

しかし、そんな事より何より、自分の仕事は社会への知識や技術の還元と考えているから、その知的技術に対して生きてる限り答え続けていく事から逃げられない性だったりするでしょ。センセ~は10年前にこう言ったよ、、とすでに今でも試されている。カルテを探し出すと確かにその通り。患者さんはすごいのだ。
で、その通りの状況なので患者さんはワシを信用する。今その現実が、かつての予言なのだ。だからこれから先の事を予言しても信じてくれる。
ワシらの仕事は、そういう深淵な仕事だと言うことなのだよ。ちゃら臭い「接遇」や「活性化」など、全く関係のない話だと、こう言う局面で気がつくと言う事だ。歯科医療は崇高であ~る。

で、30年後生きているならよぼよぼなワシの所に、どれだけの患者さんが来てくれるのか。と言うのがやはり自分の価値か(笑)。。。。


Posted: 金 - 9月 5, 2008 at 12:17 午前        




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