治療は目的?手段?


経営コンサルに躍らされたらやばいでしょ

東京での雑談のなかに、経営難の歯科医院の話が良く出てきます。最近はそこに目をつけた良悪様々な経営コンサルが入り込み、まあ、悲喜こもごものお話を良く耳にするようになりました。とどのつまりいったい患者さんは何を求めているのか?だから歯科医師は何を答えるのか?そして事もあろうか、治療が目的だと公言する歯科医師と会いまみえて、それは大変な状況のようです。

ワシは自分とこの勤務医には口を酸っぱくして言うことがあります。例えばブリーフィングの時・・・・・・・。
「ばかたれ!きさま!治療は目的じゃない、手段だ。さあ、では聞くが目的はナンだ?言ってみろ!」
う~ん、ワシはとても厳しい指導者なのだ(笑)。

しかし、この事は歯科医師として非常に重要な事で、これが理解できなければ歯科医師ではないとまでワシは言いますな。さて、そんな勤務医が開業の為退職し、それまでの間色々な歯科医院でアルバイトを兼ねて働く訳です。もちろんウチだけでもいいのですが、世の中にどういう歯科医院がどういうポリシーで成り立っているのか、開業前に色々見聞するのは悪い事ではないでしょう。
そんなおり、こんな事をぼやいていました。隣の県の話ですが、某それなりに有名経営コンサルアルファベット3文字の指針を守り、現在はそれなりに順調な滑り出しのその医院で、彼は様々な治療方法でがく然とする訳です。それはまさしく、ウチの医院に来た時に、それこそ陰で怒鳴られ叱られ修得した技術や考え方が、全く通じない世界なのです。どう通じないかと言うと、覚えてきた事が余りにレベルが高く逆にその医院の現状に反論できないと言う事。反論すればそこの院長はプライド丸つぶれ。そんな状況は避けたい訳で、苦悩の連続なのです(笑)。しかし経営コンサルはそんな事はお構いなし。歯科医師じゃないからね。彼、その稚拙な治療内容に、逆にこれでもやっていけるんじゃないかと危険な思想(笑)が芽生え始めたので、もう一度がっちり釘を刺し、
「何かを目的とした治療手段の選択は、最高に正しくなければならない。」
と。

患者さんはどちらが幸せなのか一目瞭然ですが、完全に目くらましにあってます。最近の状況は歯科をマーケットと捉える米国の毒のおかげで、治療技術よりマーケティング優先。根管治療もろくにできない若輩が、偉そうに歯科経営を語るのが今風なんですね。

以前も書きましたが、東京のジャーナリストが目を丸くしてワシに言った事があります。「治療技術や診療哲学より、マーケティング重視の患者さんを不快にさせないとか付加価値サービスとか、本当にそっちが大切だと思ってるんですか??」
ワシはもちろん、そうじゃなくて、そういう事ばかり優先させる歯科医院が増えてきたので、患者さんが見かけ上の快適さを求めて流浪する事を危惧しただけ。コンサル達は、デジタルなありとあらゆる手段で、かつての口コミを否定して、医院スローガンもインタネ上では正確ではなかったり、それでもそんな事は解らないのだからと、新発売の歯科医師をどこまでもたぶらかすのか。
このままでは、本当の歯科医師が隠れて見えなくなってしまうだろうけれど、是非そういう情報の広大な砂漠から賢明なる患者さんが、ダイヤを見つける事を期待してやまないわけですな。本来なら、それを見つけやすくするのがコンサルの仕事なんでしょうけれど、石ころをダイヤに見せるのが腕のいいコンサルになっちまってるから。。
まあ、とにかく(笑)話をきくと、、むちゃくちゃな訳ですよ(笑)。

Posted: 木 - 11月 6, 2008 at 11:10 午後        




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