何気に見た映画ですが


カフカ的K氏の宿題の映画鑑賞

前から見たいと思っていた「ギター弾きの恋 」を、ちょいとウルウルしながら見てしまいました。なんだろ~?ワシのツボをつく映画がまだあったか(笑)。ハッピーエンドじゃない。風変わり。でも、追う所はしっかり追っている。すごいなぁ、この監督。ポイントは何と言ってもサマンサ・モートンの言葉が話せない可憐な女性につきるかな。決して美人じゃないけれど、愛嬌のある目鼻立ちで、口がきけない演技を、まさに、目だけでやっている所がすごい。この純粋さそして悲しさを演じる難しさは言葉では言えないな。

見終わった後、何度か巻き戻してシーンを回想してみたのだけれど、、、、あれ、何かと重なるなぁと、、考えて、、おぉ!? ワシの映画を感じる出発点だった偉大な映画、フェリーニ監督の「道」のジュリエッタ・マシーナじゃないか!彼女が演じたジェルソミーナにこのサマンサ・モートンのハッティが重なるなぁ。少し頭が弱い可憐な女性が、何もかも全てを許す、無力で許す、そんな純粋さが、取り巻く男や社会の不浄さと相まって、見事に際立つのかな。。。多分純粋さに涙するのだと思います。それだけワシの心は純粋をなくしているんだろうかね(笑)。

いっぺんに、サマンサモートンの演技にやられてファンになってしまった。何かを食べているシーンが沢山あるのだけれど、脳内メーカーで頭の中が全て「食」のワシは、彼女が食べているシーンに本当にほれぼれしたんですね。本当にバクバク食うんですね、しかも、相当うまそうに食うんですね。言葉が話せない分、本当に美味しそうに食べるそのシーンは抜群の演技力で、純粋な可憐さを見事に引き出し、本当になんというカワイらしさ。

ワシの映画を忘れかけていた一時期の名作をきちんと掘り出してくるカフカ的K氏、本当にありがたく思ってますョ~。

 

Posted: 月 - 12月 1, 2008 at 01:27 午前        




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