日食だよね


天文小僧だったワシは何処へ行ったのか・・・・

ワシはでかい望遠鏡を2台も持ってる。ミードと言う会社のシュミットカセグレン式望遠鏡と言って、口径が20センチと25センチのものと。しかもどちらも太陽観察用のフィルターまで付けている。太陽や月や惑星や、あるいは恒星星雲星団全てパソコンから制御可能で自動的にその場所に行き自動追尾してくれる。CCDカメラを搭載でき、院長室にいながら自動追尾の画像を観測出来る撮影出来る。。。考えてみるとすごいじゃん(笑)。




初めて給料をもらった時、両親に感謝のプレゼントとか全く考えなかったわけじゃないけれど、照れ臭くて買えず、替わりにこれらの天文セットのローンを両親ではなく自分に(笑)ばりっと組んだのでR。天文年鑑からイベントを見つけては、事あるごとにそれらを持ちだし、天体撮影にいそしんだりした。数年して開業して更に数年後(1994)、世紀の大イベント!シューメイカーレビー彗星の木星衝突に合わせ、その撮影が20センチではやや心もとない事に気が付き、かといって大金があるわけでもなかったので、僅か5センチでかいものをローンで購入。付随するその他もろもろの進化したアクセサリーもこの時まとめて購入。病院研修室屋上に天体望遠鏡の設置台を作り万全の態勢で木星衝突の瞬間を捉えたのでした。

そんなワシが、、天文小僧のワシが、、燃えない、、、今回の日食。何だろうなぁ。天文ガイドも買わなくなってもう何年経つんだろう。スカイウォッチャーという初心者向けのちょっとあかぬけた天文雑誌が幅を利かせ始めたあたりから(笑)、徐々に火が消えていったのは、ワシの妙な性格からだろうか。いや違う。
ワシの望遠鏡のシュミットカセグレントップメーカーのミードすら、日本の総代理店ミックインターナショナルが倒産。2年前に銀座にショールーム出来たばかりだったのにね。本社米国でも営業不振。ヨーロッパは売却。。。何か分かるような気がします。

前日の悪石島のあの大騒ぎを見ながら、かつての自分ならあそこにいただろうか?等とボンヤリ考え、丁度日食が始まる時間、ワシはインプラントのオペで汗を流していたのです(笑)。逆に、今の仕事があの楽しかった日々を遠ざけてしまった結果になりましたが、確かに、ワシが、、奇麗な夜空を求めてふらついていちゃ、今の医院も大切なスタッフも路頭に迷うわね(笑)。世の中難しいものだとはこう言う事を言うのでしょう。

鏡面のキャリブレーションすらしていない埃の被った高価な望遠鏡が、何か、何時かそうなるだろう自分を見ているようで切なくなります。

Posted: 火 - 7月 21, 2009 at 06:39 午後        




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