何年かぶりの風邪


咳熱嚔頭痛嗚呼不快

火曜日のBBQあたりから酷くなってきた夏風邪は、今日土曜日あたりで少し回復してきたような。。。夕べなんか、夜の8時には蒲団に入ったので、今朝8時に起きたということは、おぉ、12時間も蒲団にいたのか(笑)。今日は同窓会の集まりが青森でありまして、プレゼン予定なのです。こういう状況であまり良い物が出来ていません。と言うことで本日は、ワシの診療はお休みです。

そんな蒲団三昧の中、こういう時はいつにも増して本を読みます。久しぶりにカフカ的K氏に勧められた本の中からアマゾンで数冊を注文。読んでいて思い出したのですが、これはワシのミステリー小説の原風景だなと。江戸川乱歩の「パノラマ島奇譚」と「芋虫」む~~~寝ながら読むには濃いね(笑)。パノラマ島奇譚は中学生の時、我が家にあった江戸川乱歩大全集の中から見つけ読んだ記憶があるが、ま、中学生には想像のつかない世界で、気持ち悪いというかエロイグロイというか(笑)。それに輪を掛けた「芋虫」。心象の奥底にある本能と制御することのストレスとストレスを隠すがために精神的な真反対の見知らぬ自分への葛藤が、見事にというか誠実にというか、心のキレイな形があるとしたら、それを指先で抉ってぐちゃぐちゃにしてひっくり返して本物を見せる・・・・・そんな感じ。

江戸川乱歩といえば、エドガー・アラン・ポー。実は数日前あまりに懐かしくて「黒猫」と「黄金虫」を電子書籍で読んだばかりでした。ワシが小学4年生の時、卒配でワシらのクラス担任になったISBS先生はぴかぴかのオンナ先生です。異常行動(笑)の多いワシを上手く手なずけ、ワシに隠されていたらしい様々な能力を引き出してくれた素晴らしい先生でした。今でもそのご恩は忘れられず、六方拝の時は南を向いて恩師に感謝するのですが、一番に先生の顔が浮かびます。
そんな先生が小4のワシにくれた一冊の本がありました。これは今でも持っています(笑)。それがエドガー・アラン・ポーの「黒猫」だったのです。今時の小4のガキンチョには異常に難しい内容ですよ。でも当時のガキは、これくらいは分かっていたのかもしれません。酒場で飲んだくれてDVを働くバカな旦那が、とうとう女房を殺してしまう話なのですが、、、、、ま、当時の小4にも強烈な話ではあるわね(笑)。何処まで理解していたかは定かではないのですが、当時、本が少なかったワシには宝物でして、何度読み返したか分かりません。その先生がガキのワシに言うんですよ。

「くまさかくんは、普通の本じゃなく、こういう感じの本があっていると思う。是非読んでみて。」

当時のワシに読ませたい本のイメージは、この先生は、「小公子」などより、「黒猫混じりの女房殺し」だったというのだろう(笑)!!

しかしである。これをきっかけにワシの読書熱は、少年画報、冒険王、少年サンデー以上に増してきたことは確かで、自慢じゃないが学校図書館のそれなりの本は読み尽くしたもんね。本を読んで何かを感じるという、「何か」に、先生はワシを触れさせてくれたわけで、それは女房殺しでも何でも良かったのかもしれないけれど、こいつには刺激的にこれだっ!とこれを選んでくれて、見事に的中したと言うことですね。

今でもこうして2000年から10年、ブログってもなお書き続けることの出来るのは、絶対に先生のおかげです。40年以上お会いしていませんが本当に感謝いたします。
そして、こうして時々素晴らしいプレゼントをくれるカフカ的K氏もまた、文学芸術を高める糧としてワシを使ってくれて感謝なのです。

Posted: 土 - 7月 17, 2010 at 11:53 午前        




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