そういえば不思議だ


静かな湖畔の森の影

朝から青森でしたが、車中ちょっと思い出したことがありました。優秀なる後輩のMGI先生 が、蝉の鳴かないの話を書いておられました。元々八戸は蝉があまりいません。度重なる農地開発で土壌はひっくり返され、僅かな森や林も都市整備という国庫補助金目的にあらかた伐採され、ちょっとした首都圏都市部などと比較にならないほど樹木がありません。東京に行くといつも、緑が多いなぁなんて思いますもの。高度成長期、農薬でやられちゃった八戸の田畑には蝉など生息する余裕もなく、千葉から嫁に来た女房殿は二十数年前、蝉の声の無さに驚いた物です。

そんな八戸から車で30分も走ると、八甲田の麓からみちのく自動車道という深い山中の自動車専用道路に入ります。いつもであればこの山の中、大変な蝉の声と何やら得体の知れない虫の声や、果ては奇妙な鳥の声まで、短い夏を謳歌するようにそれはそれはやかましい物なのです。MGI先生のお話を思い出しながら深く山中に入ります。
あぁ、何も音がしないじゃありませんか。確かに静かなんです。東北はすでに震災を経験しているはずなのに、そのせいなのでしょうか、何も音がしないんです。おかしいそんなはずはないだろうと車を止めました。時折過ぎる車の音の他は、夏の風が、たたえた緑の葉の間を抜ける音しか聞こえません。風がやむと静寂が来ます。
小学生の時から八甲田山麓に住み、夏の山のけたたましさや、空や空気や水の音を嫌と言うほど知っているワシです。何か大きな力でひっそりと夏の日差しを通り過ごしているそんな気配を感じます。嫌な予感ではありませんが、何かスクラップされてそして何かこれから作られる手前の、静かな前兆のような、そんな静けさでした。

ヨシダ風にさくっと仕事を終え、車で盛岡に向かいます。東北自動車道の青森-盛岡間は、やはり深い山の中を進みます。おぉ、こちらは蝉の声が沢山です。太平洋側と日本海側の違いなのか?(笑)夏らしく少し安心しました。2時間弱で着いた盛岡は、なんか酷く暑いなぁ。。(笑)
所用を終え、車を置いて、久しぶりに新幹線で八戸に。以前と違い寝てると青森に着くという。。ま、振り出しに戻るというか。剣呑剣呑。

ところでさ、サッサとぶつかった重要証拠車両をとっとと埋めてしまい、何事もなかったかのようにまた電車が走り出した中国高速鉄道って、普通に相当おかしいでしょ。中国人は何とも思わないのかね(笑)。

Posted: 月 - 7月 25, 2011 at 11:56 午後        




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