下北救急医療研究会


こういうのどの地区でも必要

昨日土曜は、むつ市でのむつ総合病院主催である「下北救急医療研究会」の特別企画「東日本大震災救援活動報告」に歯科の立場からと言う事でシンポジストとして参加してきました。
通常発表もなかなかお目にかかれない症例の数々に納得。しかも銃創症例まで(笑)。

その後、ワシがフィールドワークした田老に、入れ違いで駐在していた国境なき医師団のADC先生の基調講演があり、その内容に感心しきりです。ADC先生がかの黒田先生とタッグを組み今回の被災地の中でもずば抜けた医療システムを作り上げ、まあ、ワシらはそのレールに上手く乗ったし、被災地への歯科医療の提供としては想像を超える高いレベルで提供できたことはワシらの誇りでもあるわけです。青森県保険医協会の多大なマンパワー協力も、このミッションに十分貢献していました。
国境なき医師団からの数億になる大規模予算をADC先生の英断で田老にもたらし、それを120%利用して黒田先生が作り上げたと言う事です。その能力と頭脳の明晰さには感服いたします。
また、シンポジストとして参加した自衛隊の活躍も大変なもので、3名ほど来られておりまして、さすが陸自のエリートです。イラクアフガン経験者がしっかりと今回の震災の前線で指揮を執っていたのです。彼ら無くして今回の復興はあり得ないわけで、詳しくは小林よしのり氏の「国防論」をどうぞ(笑)。

DMAT,JMATの組織運営の問題点も確かにでては来ましたが、一人でも多くの命を救おうという気概から来る組織編成が、何も無い歯科と真っ向から比較され,何とも残念で仕方ありませんでした。日本歯科医師会は、基本的には遺体検案で確かに大変ではあったと思います。多くの歯科医師が苦悩と懺悔の元涙して労にあたったと聞いています。

が、それはそれ。個別の単発の救急歯科医療など何の役にも立たないことは、ワシらが実証済み。近所の某大学歯学部が、まあ、気持ちは分かりますが、単発で何かしようとして打診されても無視したからこそ継続できたと言う経験も大切。地元歯科医師に如何にスムーズに引き継ぐかという最終ミッションの成功も、横やりを無視し、秘密裏に知らない振りするように指示したおかげだと思っています。
要は、命令系統の一本化が出来ない歯科医師会のような組織、あるいはプライドが大切な大学は、緊急医療には全く不向きだと言えることです。医師会とて同じだからこそ救急チームを編成して命令の一本化をはかって成功しているのです。中越地震の場合の成功も全ての責任をかぶるから、県歯科医師会に直接指示を出した当時の小千谷歯科医師会のKRTT専務とかね。加えて歯科医師会が残念なのはそれが生かされなかったことかな。
早急に歯科医師会も、危機管理体制の再編とDMATやJMATのような救急歯科医療チームの組織化が必要でしょう。

と、こんなことを言うと、歯科はそんな必要はないと同じ歯科医師から結構言われます(笑)。そういうあんた、修羅の現場行った事ある?無いでしょ。。現場での切実な歯科ニーズと机上の優先順位の低さのギャップを作り出しているのは、実は仕事も何も出来ない歯科医師じゃないですかね。
それから歯科には予算や金のない話をする人もいます。あのさ、予算があるからお金があるからやるのかい?(笑)違うでしょ。

懇親会では、自衛隊員と色々な話をさせて頂きまして、被災地・救援=国防は本当に国の要ですな。

Posted: 日 - 10月 23, 2011 at 02:10 午後        




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