インプラント種類の多様化


今年終わりから種類が増えます

当院では今まで使用していたインプラントは2種類でした。22年の歴史の中では5社のモノを使用していたのですが、操作性や簡便性から淘汰されそうなったんです。しかしここには幾つかのシステムとしての問題点が隠れていました。インプラント自体非常にコストのかかるモノです。インタネ上で一本15万とか驚きプライスを見る度、あるいは想像する度、患者さんの側で本当に安いモノを望んでいるのか不安になります。

まあ確かに、以前、東京のある先生の診療室に出張オペでうかがっていました。ある患者さんが、「今日手術して、すぐに歯が入るのか?」と言う質問をしてきましたので、それなりに一連のリスク回避のためのプロトコルを話しましたら、「そんなことはどうでも良い。」というお返事。ある人にとっては、ワシらが考える目的など全く意に介さない場合もあるのだなと。「このケースでは通常の方法が安全なのでお勧めです」というと、「じゃあいい。他に行く。」と言うことになりまして、そこの院長先生が「東京では、安全性以上に患者の要求を満たすかどうかが鍵なんだ。」と。・・・・・・・・・・・・・・・おかしくないですかね。ワシにはそんな医療は提供出来ません。

集患としての低価格インプラントは、果たしてウチでおこなっているような保障やメンテの約束は出来るのか不思議ですし、あり得ないと思うのです。しかし、同じ安全性やサクセスレートを維持できる低原価インプラントであれば、今やほとんどディスポーザブルとなっている手術を含めたとしても若干のコストダウンは可能かもしれません。そんなシステムの合理的ではない部分を見直す目的で種類の多様化を今回考えてみたと言うわけです。
さらに重要なもう一つは、今までと同じコストで、しかし今まで以上のサクセスレートや安全性を期待する場合もあります。来週から出かけるトルコのアンタルヤのシンポジウムはそんなインプラントの研究会議なんですね。もうこれ以上はリスクは削れないと言うことはありません。あり得ることではありませんが、如何にしてリスク0%を目指すかも又インプラントでは必要な事でしょう。手技というよりはどういう理論なのかをしっかりと勉強して来たいと思っています。

昨晩、そんなインプラントの一つに上げたメーカーとちょっと手技の確認とか、衛生士の手術中の受け渡し練習とかしました。久しぶりに楽しかったですね。

Posted: 水 - 9月 15, 2010 at 11:50 午前        




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