気合いを入れてしかし穏やかに


混沌とした歯科界に患者を巻き込むことはいけない

さあ、明日から本格的に当院は始動します。いま、歯科界の混沌のその多くの迷惑を患者が被っていることに、とても心が痛んでいます。過多な行きすぎた独善的な歯科情報は、真面目に歯科に取り組もうとしている患者を苦しめ、大きな誤解がそこに生じ、ネット上の偽善がまさかの現実の正義と混乱し、そして悲喜劇的差別だけが残るのでしょう。幸せになりたい人に差別はありません。お互いに幸福の度合いのリスクを理解すればいいのです。歯科医師側も当然誰だって悪意はありません。当たり前です。ところがそれが悪意と誤解される一番の大きな理由が、前述した独善的歯科情報だったりするために、不幸になると理解しています。

本日、地元紙にご高齢の歯科医師の献身的お話が載っていました。ワシもよく知る立派な先生です。時々紙面を賑わす歯科医師の話とは一線を画す素敵な話でした。もちろん若い患者さんはなかなか行けないでしょう。ご高齢の患者さんだからこそご高齢の先生を信じて頼って診療に伺う話が素敵だと感じました。何も飾っていませんし、何も隠してもいないこの記事が久しぶりに歯科の話題のほっとする記事でしたね。
そういえば、ワシが開業する準備を始めた23年前、この先生に言われたんですよ。「何時まで仕事するんだい?」ワシは答えました。「開業地は住宅地なので患者さんが勤務が終わってからでも受診可能なように午後7時までにしました」すると先生は言いました。「そこまでする必要はあるのか?歯科は本人の仕事のついでで良いのか?真面目に通おうとする人がそんな遅くに来るのだろうか?」等と色々意見されましたっけ(笑)。結果、新発売の歯科医院であると言うことで7時までの受付にしたのですが、それが後に悪夢と成って帰ってきたのでした。仕事が終わって夕飯食べてひとっ風呂浴びてビールの一杯も飲んで、それで来る人がいるんだもの(笑)。先生の言うとおりでしたねぇ。。。。結局数年間は、女房殿と夕飯を食べるのが午後11時、翌朝は8時半から診療と、若くなければ到底出来ないスケジュールだったのでした。高校時代の担任の先生がそれを見て、「おまい、このままじゃ殺されるぞ」と素敵なアドバイスをくれましたっけ(笑)。

それも昔の話。今はまた、時代の変遷と共にワシも変遷します。ワシが診きれる患者さんの数も、もしかしたらワシの年齢に反比例しているだろうなと。だからこそ若い有能なドクターを育てなければと。思いや哲学や技術を引き継いでくれる歯科医師に託さなければね。ワシはワシで自分の領分を考えるに、新たな目標を持って人生の後半にすでに入っている自我をもう一度目覚めさせなければと思っているのです。
歯科を選択したワシの生き方は、すなわち哲学として、漱石をロンドンまで迎えに行ったパリに留学中だった警視庁伊集院影韶(いじゅういんかげあき)がつぶやいた言葉。
「和魂洋才」
これがこの混沌とした日本を救うと。あぁ、大げさかもしれないけれど、歯科だって同じ。洋の目新しさやトレンドに目を奪われてばかりでは行けないけれど、和魂を持ってそれに向かうからこそ未来が開けるというモノ。。
新年の挨拶でした(笑)。お粗末m(__)m。。。。


Posted: 火 - 1月 4, 2011 at 12:15 午前        




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