待合


自分で待ってみて、なるほどと思う

12月に人間ドックに行きまして、胸部精密検査になりました。そこで、2次医療機関に精密検査の予約を入れましたところ本日と相成りまして、行ってきた次第です。
8時半の予約で早めに行こうと考え到着しましたのは8時10分。待つこと20分で受付が開きます。受付後そこから中待合に移動しまして簡単な問診を受け診察を待ちます。待ちます。待ちます(笑)。10時に診察室に呼ばれましたから1時間半ですね。5分ほどドクターとお話ししまして、12月撮影のCTの解説をしてもらい、確定診断出来ないとのことで再CT検査のオーダーです。本日造影CTのオーダーを、予約いっぱいなのですが、、、今日は仕事休んできたのでと「平身低頭+わがまま」でなんとか入れてもらい、加えて後日盛岡にてPETのオーダーです。放射線室で待っているのも合わせて、会計が終わったのは12時を回っていました。
と言うことは、問診5分診察5分CT10分としても、検査とオーダーだけでも何と待ち時間は3時間以上ですわ。。

2次医療機関に来る患者さんは、ある程度は覚悟してきていると思います。ですから皆さん誰も文句も言わず粛々とお待ちになっているんですね。分厚い本を持ち込んで待っていらっしゃるかたも。プロの患者さんでしょうか(笑)。一方我々の病院で1時間も待ってもらった時には、まあ、5人に一人は憎まれ口を(笑)吐き捨てるように帰って行くか、受付嬢にくってかかるか。気持ちは分かります。たかが歯科なんでしょ?(>_<)ゞ

この長い待ち時間を好機として捉え、ワシはこの病院の様々な人の動きやシステムを分析したのですよ。そしてそこから来る国民皆保険と負担割合の関係などもね。待ち時間の間、誰一人としてサボっている人は居ません。もちろんですが。かなりシステマチックに担当者が持ち場を動きます。しかし、決して無機的な感じではなく、看護師一人一人が待っている患者さんを把握できるような仕組みのようで、声かけも頻繁です。何よりも、待っている患者さんを名前で呼ぶのが良いですね。最近は個人情報とか言う世紀の悪法のおかげで番号で呼ばれたりするそうですが、もうそれでは医療の原点から外れている気がしてなりませんね。
とにかく、酷く無駄な感じはありません。無機的にならないのに無駄が無く見えるのは良いことだと思いますよ。さて、それじゃあ採算はというと、多分赤字ですね。それをカバーするために長い待ち時間があり、それもないようなもっともっと快適な診療体型をとったならもうとっくにこの病院は消滅するでしょう。(笑)これが皆保険を持つ社会保障制度から来る医療サービスの限界です。
よく、北欧だとか一部負担ゼロの国が沢山あるから日本の制度はおかしいとかいう先生がいますが、全くお門違いの話です。保健に於ける負担金ゼロにするためには、実際のドクターに受診するまでのハードルが非常に高いと言うことを覚えておきましょう。しかも行ける病院は相当限られていますから覚悟も必要です。我が国のように自由に行く病院を選択し受診できるフリーアクセスの国は無いんですよ。だからその見返りに、比較的長い待ち時間があるのですよ。病気の誰かのためにお金と時間を共有するという社会保障の原則です。

一方、日本を除く他の国々では、お金の有無で診療システムが随分変わります。VIPを認めたがらない左傾的我が国と違い、VIPには理由があると言うことでほとんどの国では医療サービス格差が存在します。その是非の議論はともかく、そういうものを望むのは我が国では逆に難しいというわけですね。まあ、医療費総額ですでに35兆を超すわけで、その辺を上手くやりくりしている我が国で、待ち時間がどうのこうのという不平不満は、全く間抜けな話。一方そういう不満を回避したいからVIP診療を受けさせてくれと言うのも我が国では無理。仲良くじっと均等に待つ以外、無いんですよ(笑)。
大変良い勉強になりました(笑)。待ち時間に感謝です(笑)。えっ?ワシの病状?今月末のPET終わってからね(*^。^*)v

Posted: 月 - 1月 17, 2011 at 04:48 午後        




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