研修医


毎年この季節、研修医の見学が

昨晩から、当院見学のため研修医松田先生が来八しています。通常であれば大学での研修医受け入れプレゼンで少し顔合わせして、それから見学とかに来るのですが、今回はワシが大学へ出向く時間がなかったので(震災のため)昨日初めてお会いしたわけで。日本歯科大出身で神奈川歯科大学大学病院の研修医プログラムに参加。そして、当院に興味を持ってもらったと言うわけですね。これから色々開業医を見学して、自分にあった最良の施設を選択してください。こう言っちゃ何ですが、歯科医師も衛生師もそして技工士も最初にどういう指導医に出会うかで人生観が変わります。しっかりとその目で見極めるべし。

さて、本来なら研修医受け入れ施設として大学に出向き、学生達(国家試験を合格しているので学生ではないけれど・・)に自分の医院をプレゼンテーションするのだけれど、今年は断念した。非情に残念なんですよ。というのは、自分の医院を宣伝したいとかそう言うのじゃなく、大学にもの申したかったから(笑)。
研修医達は、もちろん自分達の狭い了見の中でだけれど、受け入れ施設の適否ランキングをする。まあ、その気持ちは前述のごとくよく分かる。で、ワシが問題視したいのは受け入れ側の話。
かつて、研修医制度が法制化される以前から研修医受け入れ施設として登録していた当院は、厚労省の厳しい施設基準をクリアしてティーチングクリニックとして登録したわけですよ。診療室の広さから始まり研修医の勉強のためのデスクあるいはPC設備、そして学術書籍数等々、それはそれは基準が厳しかった。最終的には、厚労省担当官からの面接があり気が引き締まるわけですよ。
ところがだ。昨今の大学病院の従施設診療所はそんなモノがない。手を上げれば受け入れ施設になれるものだから、大きな声で言えないが(笑)そりゃピンキリで酷い。いえね、その先生の診療姿勢や技術を批判しているんじゃないんですよ。受け入れ施設としてどうかと言っているんですよ。中には広告看板にでかでかと大学病院研修医受け入れ施設とか何とか書いて、他院との差別化とばかりに集患に使っているところも。最低じゃないか。
あげくに、研修医に何も教えない何もさせない。研修医が何故なのかおそるおそる訪ねると、、「責任とるのは俺なんだぞ」とか「患者が減る」とか、ばからしい答えに驚くわけですよ。何と了見の狭い。これじゃあ話にならないばかりか、研修医のレベル低下も避けられないわけですね。

ワシらは研修医を受け入れても一銭も入ってくるわけではなく、哲学、知識、技能を教え、加えてひたすら逆に消費だけするわけで、それぐらいの覚悟を持った優秀なそして太っ腹(笑)な指導医でなければ、受け入れ施設として名乗りを上げるべきじゃないと、今年はさらにそう思っていたわけですよ。厳しい基準をクリアして初めから登録したワシと同じ考え方の素晴らしい先生方が、ワシを除いてすでに誰もいないその理由を、大学病院の研修医担当責任者はよく考えて見るべきだろうね。
そして絶対に忘れてはいけないことは、本当に医師を育てるのは、理解のある素晴らしい患者さん達であり、その感謝を忘れないからこそ素晴らしい医師になるんですよと。

Posted: 水 - 5月 11, 2011 at 03:02 午後        




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